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パピヨンパロ3

現在ついったでポチポチ更新中の漫画パピヨンのパロディです。 暴力とかグロとか色々あれなんで大丈夫な方はどうぞー



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たま‏@uratxx9月6日
「俺が探すのに苦労するでしょう?」ロイは驚き顔を上げる。帽子を取った看守姿の男は、目の前で引き裂かれた彼だった。立ち竦むロイを再びプラナリアが襲いかかる「ここは危険だ、行きましょう」ハボックは素早くロイを抱き上げ天井に飛び上がった。およそ人間とは思えない跳躍で #一日一ハボロイ

たま‏@uratxx9月7日
通風口から見下ろすと床一面が真っ黒に染まるほどプラナリアが増殖していた。さっきまであの中にいたかと思うとゾッとする「すみません、来るのに手間取って」苦笑するハボックにロイが詰め寄る「お前、どうやって…?」その答えは端末の呼び出しに遮られた『22号!22号!』 #一日一ハボロイ

たま‏@uratxx9月7日
ハボックは端末に返答する「はい、22号」『研究室にすぐ来てくれ!囚人が1人大暴れし…うわぁ!』恐らくもう聞こえていない相手に了解と告げたハボックはその端末をロイに向けた。モニターには報告通り1人の男が暴れていた。「因みに」ハボックが笑う「こいつも、俺です」 #一日一ハボロイ

たま‏@uratxx9月7日
「おい、こっちだ」隠れ場所からハボックが呼ぶ。そしてそこに誘導するのも、やはりハボックだ。並んだ二人を見てロイは思った。ダブってる…。ふと、別行動していた方のハボックがロイに手を伸ばす「な、何?」髪に触れられた瞬間ぼとりとプラナリアが落ちた「ぎゃぁ!」 #一日一ハボロイ

たま‏@uratxx9月7日
プラナリアはピクリともしない「無敵のプラナリアを殺すとは、アメストリスの王族は凄いヘアトニック使ってるんスね」赤面するロイをハボックはくすりと笑った「皇子」呼ばれてもう1人のハボックに目をやる「俺たちはこちつらと同類です」ロイは息をのんだ #一日一ハボロイ

たま‏@uratxx9月7日
「人間に擬態してますが組織は全く異なる生物です。この手は何度切っても生えてくる」そうしてハボックは義手と偽っていた手を見せた「ここのプラナリアは無性生殖ですが俺たちは雌雄同体の有性生殖で、生殖期に相手がいない時や今回みたいに危険が迫った時だけ分裂します」 #一日一ハボロイ

たま‏@uratxx9月7日
「ただ数を増やすだけなら無性生殖がいいですが奴らは激減した。ウイルスに弱いんです。何しろ皆同じものですから病気になれば全滅です。少しの奇形を残して」「だから親と子がそっくりでも少しずつ違う俺たち有性生殖のがこういう場合強いんです。どちらかひとりは生き残るので」 #一日一ハボロイ

たま‏@uratxx9月7日
二人の説明に黙って耳を傾けていたロイだったが深刻な面持ちで口を開いた「ひとつ、聞いてもいいか?」はいと同時に返事をされ、ロイはますます複雑な表情を浮かべる「それで、どっちが本物の、私のハボックなんだ…?」ハボック達は困ったようにお互い顔を見合わせた。 #一日一ハボロイ

たま‏@uratxx9月8日
監視カメラの録画映像を見ながらハクロは嘲笑した。まさかジャクリーンが生きていたとは。ふと先程受けた大総統からの通達を思い出す『プラナリアのデータはまだかね将軍。弱点がわからねば兵器として使えんだろう』ならば一度に手に入れてやろう。研究成果とあの男を死体を #一日一ハボロイ

たま‏@uratxx9月8日
「プラナリアの人体実験をする」ハクロの言葉に看守らは蒼白した「またあんな恐ろしい事を…?」そんな彼らの訴えなど無視して囚人リストを要求したハクロは、ペラペラと紙を捲りながら愉快そうに吟味を始めた。「ジャクリーンと最も親しかったのはどれだったかな」 #一日一ハボロイ

たま‏@uratxx9月8日
「大丈夫ですか、皇子」ハボックに聞かれロイは鼻を啜りながら素直に頷いた。あの後安心と混乱でまた泣いてしまったのだ「無理もない。よく今まで我慢されました、立派ですよ」「何が立派だハボ、甘やかすから皇子はいつまでも泣き虫とおねしょが治らなかったんだ」 「ジャク!」#一日一ハボロイ

たま‏@uratxx9月8日
「皇子に向かって何を…!」「まあ、いいけど。個人的には泣いてる皇子は可愛くて好きだし。もっと泣かせたくなる」「ジャク!!」新たに再生したふたりをハボックとジャクリーンと呼び分ける事になったのだが、彼らは姿形は全く同じでも、中身は紙がつまったように違った #一日一ハボロイ

たま‏@uratxx9月8日
「正面に偵察衛星、四方にキラー衛星。脱出するには護送船に乗り込むしか…」看守から奪った軍服に身を包んでるせいか高貴で落ち着いた感じのハボックと「乗り込む?ヒッチハイクじゃあるまいし誰がタダでのせてくれるんだ」その正反対のジャクリーン。もとはひとりなのに不思議だ #一日一ハボロイ

たま‏@uratxx9月8日
「この性格は俺のせいじゃない、俺は元の体の下半身から再生したから発想が下賤なんスよ」「そ、そうなのか?」「ええ、何を見てもまず下ネタが頭に浮かんで」「どんな?」「例えば鍵と鍵穴。これもよく見たら…」「ジャクリーン!!冗談ですよ皇子!聞いちゃいけませんっ」 #一日一ハボロイ

たま‏@uratxx9月9日
「…そしてこれが、イシュヴァールの衛星でとらえたアメストリスの宮廷内の様子です」ロイは言葉を失った。ハボックが見せる映像は皇族しか知らないものばかりだったからだ「戦争は情報が全てです。どんなに優れた人材や作戦を使ってもこの衛星網に追い付かなければ勝てません」 #一日一ハボロイ

たま‏@uratxx9月9日
「なら、衛星を破壊したら勝てるか?」この戦争に。「ここからキラー衛星を操作して邪魔な偵察衛星を破壊すれば」今度はハボックが言葉を失う。いや、呆れてものが言えないが正しい。そしてそれはジャクリーンも同じだった「無理です皇子、衛星同士の攻撃は出来ない」 #一日一ハボロイ

たま‏@uratxx9月9日
「誤射防止コードがあるんです。それを解除しないと…」「なら解除すればいい」食い下がるつもりではなかった。ただロイは可能性を提示したかったのだ。ここから脱出する可能性を、そして戦争に勝つ可能性を。勝って国に帰りたい。ただそれだけだったのに「ふざけんな」 #一日一ハボロイ

たま‏@uratxx9月9日
「解除は地上の警戒センターでないと指示出来ません。そんな危険な事誰がするんスか、あんたが行ってしますか!?」ロイは絶句した。自分の甘さを突きつけられた。所詮案は案、実行する者が居て初めて成立するのに「よせジャク」「俺は楽天家な皇子に事実を教えて差し上げてんだ」 #一日一ハボロイ

たま‏@uratxx9月11日
「俺は十分可能だと思います」「ハボっ!」ジャクリーンが顔をしかめたがハボックはお構い無しに続ける「どんなに高度な防衛システムだって人間の判断ひとつで崩す事はできます。つけいる隙はあるでしょう」素晴らしい案ですよ。ハボックの言葉にロイは漸く笑顔を見せた #一日一ハボロイ

たま‏@uratxx9月11日
「ったく、安請け合いしやがって」ロイが眠る部屋を見ながらジャクリーンは呟いた「お前の協力があれば出来ない事はないよ」相方の言葉に更に溜め息が零れる「お前それ、自画自賛て言うんだよ」呆れるジャクリーンにハボックは余裕の笑みを浮かべた「勿論手伝ってくれるんだろ?」 #一日一ハボロイ

たま‏@uratxx9月11日
途端にジャクリーンは口を閉ざす。確かに無謀な計画かもしれないが「可愛い皇子様の望みだぞ」「我が儘な皇子は可愛くない」ジャクリーンはますます唇を尖らせた「それに皇子はお前の方になついてるしな…」ハボックは思わず吹き出した「そんな事ないだろ、元は同じなんだから」 #一日一ハボロイ

たま‏@uratxx9月11日
カタン。隣の部屋から物音が聞こえた。調査に出たふたりのうちどちらかが帰ってきたらしい。ロイはそっとドアに近付き隙間から中を覗く。後ろ姿だが軍服である事にほっと胸を撫で下ろした。ハボックだ。部屋に入るとハボックがにこりと笑った。昔と同じ、優しい笑顔だった #一日一ハボロイ

たま‏@uratxx9月11日
「すみません、起こしましたか」自分を気遣う言葉にロイは笑顔で首を振る「何か分かった?」ハボックは頷き机に書類を広げた「レーザー砲ですが、衛星同士の攻撃は無理でも地上への攻撃は可能です。そして誤射防止コードは一基解除すると全ての衛星も解除出来るんです」 #一日一ハボロイ

たま‏@uratxx9月11日
意味が分からず首を傾げるロイにハボックはくすりと笑う「つまり、なんとかなるって事です」「本当か?」「ええ、勿論理屈だけでどう転ぶか分かりませんが、皇子の命令とあればやりましょう」ロイの顔が思わず綻ぶ。ああ、やっぱりハボックだ。いつも私を助けてくれる。なのに… #一日一ハボロイ

たま‏@uratxx9月15日
「ハボックとジャクリーンってどうしてそんなに違うんだ」「え?」「元は同じ生物なのにまるで水と油だ…」ハボックは驚きそして苦笑する「俺にそう言われても」確かに愚問だ。だけど聞かずにはいられなかった。ロイはハボックの胸に顔を埋め小さく呟く「…ジャクリーンが苦手だ」#一日一ハボロイ

たま‏@uratxx9月15日
「…えっ」さすがに動揺したらしいハボックが声をあげた「なんだかハボックって感じがしないんだ。知らない人みたいで…怖い」自然と軍服を掴む手に力が入った「最初に殴る所を見たからかな」押し黙るハボックを見上げてロイは申し訳なさそうに笑う「彼には内緒にしてくれ」 #一日一ハボロイ

たま‏@uratxx9月15日
ハボックはロイの肩を掴みそっと自分から離した「…ハボック?」名を呼ばれ困ったように笑った彼は軍帽をつまみゆっくりと外す。ロイの顔がみるみる強ばった「…軍服を借りたんです。すみません、何だか言いそびれてしまって」赤面したロイは思わずジャクリーンの腕を振りほどいた #一日一ハボロイ

たま‏@uratxx9月15日
ハボックが戻ってきたのはほぼ同時だった「どうかしたか?」「別に」ロイから離れたジャクリーンはハボックに軍帽を投げる「返すよ、こういう上品なものはお前の方が似合う」「ジャクリーン!」慌てて追いかけたロイは軍服の裾を掴んだ「ごめん!」彼は笑顔で答える「何がです?」 #一日一ハボロイ

たま‏@uratxx9月16日
「それよりジャク、今雑居房行ってきたんだが、ブレダがハクロに捕まった 。俺達が調査員だとバレたらしい 」軍服を脱ぐジャクリーンの手が止まった「なぜブレダが!?」「分からない、でも多分、」"ジャクリーン"と親しかったから。 #一日一ハボロイ


パピヨン4に続く

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